療法について

リハビリテーションスタッフと役割

【理学療法士】

がんの発症や治療に伴う「体力低下」「運動麻痺」「呼吸困難」「骨折の危険性」などによって生活に支障をきたしている患者さんに対し、基本的動作能力(座る、立つ、歩く、姿勢調整能力など)の回復や維持および障害の悪化の予防を目的に運動療法などを用いてリハビリを行います。

【作業療法士】

がんの状態を踏まえて身体機能、精神・心理機能、高次脳機能の評価などを行います。その結果から上肢機能訓練、「食事」「排泄」「更衣」などの身のまわり動作訓練、仕事・学校生活などの社会的能力の訓練を行います。

【言語聴覚士】

声や発音、言語や聴覚の問題によってコミュニケーションが困難な方や嚥下が上手くいかない方へ、訓練・環境調整・本人や周囲への指導などを行います。

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理学療法

周術期(術前/術後早期介入)リハビリにより合併症/後遺症の軽減を図る


術後肺炎の予防として「呼吸リハビリテーション」を行います。 手術前から効果的な呼吸方法と排痰方法を練習して、術後肺にたまりやすくなる痰をしっかりと出し、肺炎を防ぎます。 また手術後早期より安全に離床し体力低下を防ぐため、歩行運動や呼吸体操を行います。

理学療法
理学療法2
理学療法3

頭頸部がんで頚部リンパ節郭清後や、腋窩リンパ節郭清を伴う乳がん手術後は、段階的に患側の肩関節可動域訓練や筋力強化トレーニング、生活指導を行います。


骨転移の早期発見・治療とリハビリにより活動性を高める

骨軟部腫瘍又はがんの骨転移に対する病的骨折予防のために、装具療法や松葉杖歩行練習、車いす操作練習などを行います。 手術後や骨転移により患部の保護が優先される場合は 患部を守るための起居動作方法や移動方法を練習し、適切な介助物を選択しながら、活動性を高める運動を行います。

理学療法4
理学療法5

原発性脳腫瘍または転移性脳腫瘍による運動機能障害や活動性の低下を防ぐ

理学療法では運動機能障害を評価し、作業療法士、言語聴覚士によって評価された高次脳機能評価と合わせ、脳卒中のリハビリの手技を用いて 寝返り・起き上がり・座位・立位や歩行運動を行います。


化学/放射線療法・造血幹細胞移植中後の身体活動量の維持・向上を図る

治療過程において筋力・体力の低下や活動量の低下が起こるため、退院まで一貫して、有酸素運動(自転車エルゴメーター、トレッドミル)やストレッチング、筋力トレーニングを組み合わせた運動療法を行います。 適切な運動量と方法で安全に運動を実施するために、運動負荷試験などの評価を行い、退院後も継続できるホームエクササイズの指導や、外来での理学療法を行っています。

理学療法6
理学療法7
理学療法8

緩和ケア主体の時期は日常生活や療養生活の質の向上を目的とする

いろいろな症状により身体活動が低下すると、筋力・体力が落ちることで、さらに活動性が低下するという悪循環に陥ります。 運動機能低下を予防するために関節可動域訓練、筋力増強訓練、有酸素運動などを行います。 また、楽に動けるよう歩行器や杖、車椅子などの補助具の利用や、起き上った時や座った時の姿勢を工夫します。 呼吸困難に対しては、全身のリラクセーションを行い、息をゆっくりと吐き出すような呼吸方法や負担のかからない動作方法を指導します。

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作業療法

身体機能への働きかけ

生活に必要な関節の動き、筋力、感覚機能などの改善を図りながら、 障害のある部分だけでなく体全体の円滑な動きの獲得を図ります。

日常生活に必要な動作獲得への働きかけ

身辺動作(食事、整容、着替え、トイレ、入浴など)や家事動作(買物、調理、掃除、洗濯など)ができない原因を評価し、自立して安全に行うための訓練や、ご家族への介助方法の指導、自助具の紹介や製作をおこないます。

作業療法
作業療法2
作業療法3

自助具作成

体の機能が充分に回復しなかった場合、体の機能を補い、動作がひとりで行えるように道具を改良したり、作ったりします。


作業療法5
作業療法4

高次脳機能への働きかけ

病気の後遺症で起こる高次脳機能障害を評価し、生活の中で困らないように改善を図ります。

心理支持的作業療法

気晴らしや生活意欲の向上、認知症予防または進行防止のために行います。

作業療法6
作業療法7

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言語聴覚療法

コミュニケーションをとること(失語症・構音障害・音声障害)

脳腫瘍による失語症や発音の障害、頭頸部がんによる発音や声の障害、反回神経麻痺による声のかすれ、手術中の挿管による発声困難などさまざまな原因でコミュニケーションが障害されてしまいます。失語症をはじめとする高次脳機能障害の訓練、発声・発音の訓練、文字盤など代替手段の練習、人工喉頭の練習などを行い、スムースなコミュニケーション方法を獲得していきます。


言語聴覚療法
言語聴覚療法2その人に合わせた文字盤を使用

食べること・飲み込むこと(摂食嚥下障害)

摂食嚥下障害は、脳腫瘍による麻痺、頭頸部がん、手術侵襲、低栄養状態などよって起こります。がん治療などで抵抗力が落ちた状態で誤嚥すると誤嚥性肺炎(細菌が唾液や食べ物と一緒に肺に入ることで生じる肺炎)を起こしやすくなってしまいます。

適切な評価に基づいた口・舌・のどの運動や、食べ方・食事の内容の工夫によって、楽で安全に食事できるよう嚥下訓練を行います。また緩和ケア主体の時期でも「食べる」ことは生活の質の向上に重要ですので、可能な限り安全な食べ方を提案します。

言語聴覚療法3
言語聴覚療法4
   嚥下造影検査

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