
以前より外科チームの中で、肺がんなどの手術を行ってきましたが、平成4年故成毛韶夫先生(元国立がんセンター中央病院副院長)の指導のもと、北の大地に呼吸器外科の種がまかれました。開胸手術やとくに胸腔鏡手術を導入、全国に先駆け「安全確実な胸腔鏡手術」を開拓しました。また難しいとされてきた肺門縦隔リンパ節郭清も胸腔鏡手術で可能となりました。これらの技術を確立させるため平成5年度から厚生省がん研究助成金「がんにおける体腔鏡手術手技向上に関する研究」など一連の班研究(鳶巣班、平成7年より成毛班)に加わり、手術手技の向上、手術器具の開発、改良および適応の拡大をはかってきました。すなわち平成5、6年頃は診断としての肺部分切除、7、8年頃は臨床病期IA期に対する8cmのミニ開胸による肺葉切除、9、10年頃は縦隔リンパ節郭清の確立と合併症の克服、11、12年頃は現在の3〜4cmの術者孔による完全内視鏡手術の完成、IB期以上への適応拡大、全面癒着例への適応拡大、区域切除の導入と変遷してきました。そして技術の向上から、良性疾患などへの胸腔鏡手術の応用も行っています。また2人で手術ができる器具も開発しました。平成10年4月呼吸器外科(医長 近藤啓史)の名称となり外科から独立しました。
平成20年実績は全身麻酔手術を221例に行い、そのうち原発性肺がんは148例に手術を行った。そして転移性肺がん(肺転移)31例に手術を行い、いずれも胸腔鏡手術が約8割を占めていた。悪性胸膜中皮腫は手術可能な1例に行った。この疾患は術前、術後の化学療法が必要なことが多くまた術後の放射線治療も必要なことが多いので専門病院での治療が必要である。当院はがんセンターなので“がん”のみ手術を行っているかと言うとそうではなく、縦隔腫瘍(13例)、気胸(4例)、良性肺腫瘍・炎症性肺腫瘤(16例)など呼吸器外科領域の良性、悪性にとらわれず多岐にわたって手術をしている。胸腔鏡手術はやはり全体の8割を占めます。患者さんによく「混んでいるのですか」と聞かれますが、週に6件の手術は可能なので、外来で診察をして2週以内には手術を行っていますし、あるいは電話での問い合わせを受けても、3〜4週以内には手術を行っています。
来院される患者さんは、北は稚内、東は根室、釧路、中標津、羅臼、網走、南は函館、室蘭、苫小牧など、中央は旭川、留萌、砂川、帯広と北海道の広い範囲より来られています。また本州は大阪、金沢、青森、岩手、横浜などより手術をしに来られています。さらに稚内、網走、中標津などには関連病院があり、出張して手術を行うこともあります。手術をした人の年齢は3か月の子供から90歳の人までおられます。身の回りのことができる人であれば、原則手術は可能と考えています。また肺がんでIII期、IV期の人でも条件がそろえば手術が可能な人もおられます。
当科では学会活動を重視して、日本呼吸器外科学会、日本内視鏡外科学会、日本外科学会、日本胸部外科学会、日本肺癌学会、日本癌治療学会などに発表をしています。また胸腔鏡手術を全国に拡げるために、当科の手術ビデオを配布したり、セミナーを行ったり、手術見学の場を設けたりしています。
当科の手術手技、手術適応をまとめた論文が医学雑誌に掲載されています。最近のものは2006年雑誌「胸部外科」に“安全な胸腔鏡手術の実践”、「日本内視鏡外科学会誌」に“小児も含めた縦隔腫瘍に対する胸腔鏡手術”、2008年「小児外科」“小児縦隔腫瘍摘出術における術中・術後合併症とその対策”を発表しています。
患者さんや市民向けに「肺よろず相談会」、毎年5〜6月頃市民公開講座「肺がんに効く、肺がんの話を聞く会」を開催しています(詳しくはがん相談支援情報室まで)。
月・水・木曜日 [診察受付…8:30〜11:00]

外科学、臨床腫瘍学、胸腔鏡手術
日本外科学会専門医、指導医
日本呼吸器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本肺癌学会
日本気胸嚢胞学会評議員
医学博士、北海道大学客員准教授

外科学、臨床腫瘍学、胸腔鏡手術
日本外科学会専門医、指導医
日本呼吸器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本肺癌学会

外科学、臨床腫瘍学、胸腔鏡手術
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本肺癌学会
医学博士、麻酔標榜医