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診療科のご案内

HOME > 診療科のご案内 > 呼吸器外科

呼吸器外科

沿 革

 国立札幌病院時代より外科チームの中で、肺、縦隔、胸壁などの呼吸器疾患の手術を行ってきましたが、平成4年7月故・成毛韶夫先生(元国立がんセンター中央病院副院長)の指導のもと、当院外科に肺がんを中心とした呼吸器外科ができました。開胸手術やとくに胸腔鏡手術を導入、全国に先駆け「安全確実な胸腔鏡手術」を開拓してきました。また難しいとされてきた肺門縦隔リンパ節郭清も胸腔鏡手術で可能となる手技を完成させました。これらの技術を確立させるために平成5年度から厚生省がん研究助成金「がんにおける体腔鏡手術手技向上に関する研究」など一連の班研究(鳶巣班、平成7年より成毛班)に加わり、手術手技の向上、手術器具の開発、改良および適応の拡大をはかってきました。すなわち平成5、6年頃は診断としての肺部分切除、7、8年頃は臨床病期IA期に対する8cmのミニ開胸による肺葉切除、9、10年頃は縦隔リンパ節郭清の確立と合併症の克服、11、12年頃は現在の3〜4cmの術者孔による完全内視鏡手術の完成、IB期以上への適応拡大、全面癒着例への適応拡大、区域切除の導入と変遷してきました。そして技術の向上から、気胸などの良性疾患や縦隔腫瘍に対して胸腔鏡手術の応用も行っています。他との違いは、小さな傷で安全な肺葉切除を完成させたこととリンパ節郭清を確立したことにあります。その結果下段にも書いてある雑誌「胸部外科」に全国でただ一人肺がんに対しての"安全な胸腔鏡手術の実践"を書くよう指示され原稿を書きました。また共同通信より手術見学と取材を受け、その記事を共同通信のホームページhttp://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/0110langcancer.html 2007年1月7日)に載り、また全国の地方紙に配信されました(青森から沖縄まで)。当科はその中、平成10年4月病院より「呼吸器外科」(医長 近藤啓史)の標榜科を与えられました。

現 状

 最近3年間の手術実績では年間あたり全身麻酔手術を約240例に行い、そのうち原発性肺がんは140例余に手術を行なっています。そして転移性肺がん(肺転移)は40例余に手術を行い、いずれも胸腔鏡手術が8割を占めていました。また最近では今までは手術適応がないと考えられていた進行肺癌の患者さんに術前抗がん剤治療と放射線治療を同時に行い、がんを縮小させ手術を行うことも積極的におこなっています。当院はがんセンターなので"がん"のみ手術を行っていると言う人がおりますが、縦隔腫瘍、気胸、良性肺腫瘍・炎症性肺腫瘤など胸部外科領域の良性、悪性にとらわれず多岐にわたって手術をしています。肺がん手術で培われました色々なテクニックはがんでない患者さんにとっても最新で最良の治療となりますので、良性の病気の患者さんも積極的に手術をすることにしています。これらの良性の患者さんも殆どが胸腔鏡手術で行っています。

 来院される患者さんは、北は稚内、東は根室、釧路、中標津、羅臼、網走、南は函館、室蘭、苫小牧、中央は岩見沢、旭川、留萌、砂川、帯広などと北海道の広い範囲より来られています。また本州は金沢、青森、岩手、大阪などより手術をするために来られました。さらに稚内、網走、中標津などには関連病院があり、出張して手術を行うこともあります。手術をした人の年齢は3か月の赤ちゃんから90歳の人までおられます。身の回りのことができ、心臓などに重度の合併症がなければ、原則手術は可能と考えています。また肺がんでIII期、IV期の人でも条件がそろえば手術が可能な人もおられます。お尋ねください。

 診療体制は副院長を含め3人で診療に当たっています。手術は原則2人で行える術式を創りました。肺がん患者さんは1日2人までは手術可能です。手術日は火、金曜日は1日中、水、木曜日は午後を基本に手術を行っています。大体1週間に6名の手術が可能です。皆さん急がれますので、外来でお会い(外来受診)して2〜3週以内に手術ができるよう努力をしているところです。また女性患者会「五葉の会」と共に偶数月の第1あるいは第2週の土曜日午後「肺よろづ相談会」を開催しています。詳しくは当院がん相談情報室(011-811-9118)まで。

 当科では学会活動を重視して、日本呼吸器外科学会、日本内視鏡外科学会、日本外科学会、日本胸部外科学会、日本肺癌学会、日本癌治療学会などに発表をしています。また「胸腔鏡手術」を全国に拡げるために、全国の呼吸器外科医に当科の手術ビデオを配布したり、実験動物「ブタ」を使用して胸腔鏡手術のセミナーを行ったり、また手術見学の場を設けたりしています。

 当科の手術手技、手術適応をまとめた論文が医学雑誌に掲載されています。最近のものは2006年雑誌「胸部外科」に"安全な胸腔鏡手術の実践"、「日本内視鏡外科学会誌」に"小児も含めた縦隔腫瘍に対する胸腔鏡手術"、2008年雑誌「小児外科」"小児縦隔腫瘍摘出術における術中・術後合併症とその対策"を発表しています。

(平成22年11月副院長 近藤啓史)

患者さんへ 〜肺がん手術合併症臨床データ利用のお願い〜

 肺がんは近年増加傾向にあり、我が国の癌死の第一位となっています。当科でも手術症例数は増加しており、年間140例以上の手術を施行しています。当科では北海道全体のがん診療連携拠点病院という点から、合併症を持つ患者さんにも、放射線治療科・呼吸器内科をはじめ、関連する診療科と密接に連携しつつ、積極的に治療をおこなっています。しかしながら、手術療法にはある一定のリスクが存在することも事実です。たとえば呼吸器外科手術のもっとも重篤な術後の合併症として、術後早期に発生する間質性肺炎の急性増悪があげられます。2008年度の日本呼吸器外科学会の統計によると、間質性肺炎合併肺癌の術後急性増悪は術後死亡のトップであることが明らかにされています。この術後急性増悪は、発生の予測が困難で、はっきりした治療指針もない状態です。われわれは日本の主要な肺がんの手術を行っている施設と共同で、間質性肺炎合併肺がん患者さんのいろいろな臨床データ(喫煙指数、各種血液データ、呼吸機能検査、手術方法や手術時間、使用した薬剤など)を集めて研究し、この術後急性増悪の原因因子の解明を目指しています。また、術後間質性肺炎急性増悪に限らず、術後の血栓症・脳梗塞などその他の重篤な合併症の予防・治療のために様々なデータの集積を行っています。

 これらの臨床データは通常に診療を受けていただく際に記録されるデータであり、特別 に採血など患者さんに負担いただいて収集するものではありません。患者さんには臨床データ利用の目的と趣旨をご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。このような臨床研究に対してさらに説明を希望される方、また個人の臨床データのデータベースへの収集および臨床研究への利用を拒否される方は担当医師または当科データベース管理担当者(副院長 近藤啓史:011-811-9111(代表))までお申し出ください。

診察日

月・水・木曜日 [診察受付…8:30〜11:00]

担当医師一覧表はこちら ≫

医師紹介

近藤 啓史 (こんどう けいし) 〔副院長〕

近藤 啓史
[専門分野]

外科学、臨床腫瘍学、胸腔鏡手術

[略歴・資格・所属学会 その他]

日本外科学会専門医、指導医
日本呼吸器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本肺癌学会
日本気胸嚢胞学会評議員
医学博士、北海道大学客員准教授


安達 大史 (あだち ひろふみ) 〔呼吸器外科医師〕

安達 大史
[専門分野]

外科学、臨床腫瘍学、胸腔鏡手術

[略歴・資格・所属学会 その他]

日本外科学会専門医、指導医
日本呼吸器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本肺癌学会


有倉 潤 (ありくら じゅん) 〔呼吸器外科医師〕

有倉 潤
[専門分野]

外科学、臨床腫瘍学、胸腔鏡手術

[略歴・資格・所属学会 その他]

日本外科学会専門医
日本呼吸器外科学会専門医
日本内視鏡外科学会
日本肺癌学会
医学博士、麻酔標榜医
肺がんCT検診認定医