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がんワクチン療法

 人の身体の中で免疫の中心になるのはリンパ球ですが、リンパ球のうちがん細胞を認識し攻撃・破壊するリンパ球(細胞傷害性T細胞と呼びます)があることが明らかとなってきました。更にこのリンパ球は、がん細胞に発現している特異的抗原を見つけてがん細胞を攻撃し排除することも分かってきました。

 現在、様々ながん細胞に対する特異的抗原(アミノ酸が9個-10個つながった小さいペプチド)が多数発見されてきています。がんペプチドワクチン療法は、それらのペプチドを人工的に合成しワクチンとして皮下に注射することにより、がんに対して特異的に働くリンパ球を活性化し、更に増殖させてがんを排除しようする新しい特異的免疫療法の一つです。

 当院では標準的な抗がん剤治療の効果が無くなった転移性膀胱がんに対してペプチドワクチン療法の治験(新しい薬の効果や安全性を調べる試験)を平成22年より実施しております。具体的には2種類のペプチドワクチンを週1回皮下に接種します。

 今までに確認されている主な副作用は接種した部分が赤くなったり腫れたりする程度ですが、今後重篤な副作用が発生する可能性が無いとは言えません。

 この臨床試験に参加するためには、今までに受けられた治療法、HLAのタイプ(白血球の型、今回はA2402というタイプが対象です)、検査値、年齢等いくつかの条件がありますので、全ての患者さんが参加できるとは限りません。

 なお、がんワクチン外来を受診しHLAのタイピング検査の結果及びその他の参加条件を確認のうえ当院責任医師が治験参加の適否を判断いたしますので、ご了承願います。

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