高カロリー輸液とは?

輸液のみにより栄養状態を完全に維持する栄養法です。
高濃度の輸液製剤を使用するために中心静脈カテーテルからの投与が原則であり、時々刻々と変化する患者さまの個々の状態にあわせた電解質、水分バランスを考慮することが重要です。


無菌製剤室内のクリーンベンチで混注しています。
右の写真は調製している様子です。
混合された医薬品は冷所で保存することにより、
アミノ酸によるメイラード反応を防止しています。

混注業務



高カロリー輸液について

電解質バランス

高ナトリウム時はナトリウムフリーであるハイカリックRFを用いる。

腎不全合併時は基本液中のカリウムによる高カリウム血症を防ぐために50%ブドウ糖液を用いる場合もある。
Cation gap(Cl-Naの濃度差)が大きい製剤の時は、高クロール性代謝性アシドーシスに注意する。

必要エネルギー

安静時(25〜30 kcal/kg/day)
軽度侵襲時(30〜40 kcal/kg/day)
高度侵襲時(40〜50 kcal/kg/day)
カロリー原はブドウ糖中心。
トリパレンは耐糖能異常時用であり、ブドウ糖ではなく果糖とキシリトールにより付加する。

ビタミン

バランスよく補給することが必要でり、特に、欠乏による代謝性アシドーシスに注意し、
3 mg/day以上投与の必要がある。

アミノ酸

カロリー窒素比(窒素1 g=アミノ酸6.25 gに対する付加エネルギー)150〜200に保つ。

投与量は軽度異化期(1.0〜1.5g/kg/day)、高度異化期(1.5〜2.0g/ kg/day)。
術後などの侵襲期にはFischer比(分岐鎖アミノ酸含有率)の高いアミパレン、アミゼット等を用いる。
腎不全時は必須アミノ酸含有率の高いネオアミュー等を用いる。
肝不全時の肝性脳症は分岐鎖アミノ酸含有率の高いアミノレバン等を用いる。

微量元素

長期施行時にはZn、Cuなどの微量元素をエレメンミック等により補充する。

脂肪乳剤

必須脂肪酸の補給とともに熱量の補充に使用する。血栓性疾患、重症肝障害では禁忌である。

高カロリー輸液(今日の治療指針2000,多賀須,et.al,.)一部改変