喉頭がん


喉頭がんは肺がんなどと同じく喫煙量に大変関連の深いがんです。

 のどは空気の通路(気道)でもあり、また食物の通路でもあります。喉頭は、気道であると共に発声器官でもあり、いわゆる”のどぼとけ”(甲状軟骨)の内側にあります。この部位に発生する癌は喫煙と深い関わりが証明されており、肺ガンと同様にヘビースモーカーの病気といえます。 一日の喫煙量と喫煙の年数を掛け算した数は”たばこ指数”(あるいはBrinkman指数)といわれ、たとえば、一日20本のたばこを、30年間かかさず吸う人のたばこ指数は、20X30=600ということになります。この指数が600を越えると、がん発生に関して、要注意といわれます。また、男性と女性では発生頻度が極端に違うことが特徴です。女性の患者数はおおむね男性の10分の1です。

喉頭がんの症状:

 喉頭癌の多くは声帯に発生するので、声の変化、声かすれが最初の症状のことがおおいのですが、声帯以外の部位に発生したものは、必ずしも声の変化を伴なわないので注意が必要です。とくにたばこを沢山吸う方で、声のかすれが続く場合はぜひ喉頭を検査してもらう必要があります。勿論、喫煙者の声かすれがすべて腫瘍によるものではありませんので念のためにみてもらってください。
 最近は喉頭を観察する装置としてファイバースコープが発達して、喉頭の細部まで詳しく観察できるようになりました。この検査はのどの反射の強い人でも比較的楽に行うことが出来ますので、心配ありません。

喉頭がんの治療:

 治療の方針は、喉頭がんが早期のものか、或いは進行したものかのより異なります。

 小さいがんは放射線治療で治癒するものが大半です。場合によっては、声帯のごく一部を切除するだけで、治るものもあります。放射線治療は通常一ヵ月半程かかります。市内の方は、通院で治療される場合が多いようです。

 進展した喉頭がんの場合は治療は放射線と手術を組み合わせて行います。手術はがんの大きさや部位によりいろいろで、場合によっては、声帯を残すような手術が可能ですが、最悪の場合、声帯を全部含めて喉頭をとる”喉頭全摘”が必要となります。

 当院、北海道がんセンターでは、患者さんの声を重視する立場から、声を残す手術や、声帯をとった際に、それに変わる音声を出させるような手術や、手術をおこなわずにすむよう抗がん剤との併用放射線治療に積極的に取り組み実績をあげております。